クラウドPBXでBYOD導入を加速!メリット・デメリットを徹底解説
社員の個人のスマホがビジネスフォンのように使える「クラウドPBX」は、電話業務のBYODに最適な新しい電話サービス。
しかし中には、以下のような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
- 電話業務でBYODを実現する「クラウドPBX」はどんなサービス?
- クラウドPBXで本当に実現するの?BYODのメリット・デメリットは?
そこで本記事では、クラウドPBXとBYODの関係のほか、導入するメリット・デメリットを詳しくご紹介します。
BYODの導入状況にあわせて、これからクラウドPBXを活用すべきか判断できる内容となっているため、ぜひ最後までご覧ください。
この記事のもくじ
この記事の監修者
この記事の監修者 登 雄三
(のぼり ゆうぞう)
保有資格:
工事担任者(AI・DD総合種)
/電気工事士
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国でビジネスフォン・複合機・防犯カメラなどの機器販売や、電話・電気・LAN工事、VPN構築を手掛ける。
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国でビジネスフォン・複合機・防犯カメラなどの機器販売や、電話・電気・LAN工事、VPN構築を手掛ける。
BYOD(Bring Your Own Device)とは?
「BYOD(Bring Your Own Device)」とは、個人が私物として所有しているパソコンやスマートフォンを業務に使う利用形態です。
まずはクラウドPBXとの関係性についてきちんと把握して、そのメリットを活かすために、BYODがなぜ注目されているのかを確認しておきましょう。
BYODが注目されている背景
個人のデバイスを活用するBYODが注目を集めているのには、スマートフォン・タブレット・パソコンの所有率が上がっていることが関係しています。
総務省の調査結果によると、実際にスマートフォンの保有状況は右肩上がりとなっていることが分かります。
引用:総務省の統計データ「令和3年通信利用動向調査の結果」
個人で保有している方は既に7割を超え、高い保有率が確認されています。
加えて、テレワークを導入している企業は5割を超え、クラウドサービスを利用している企業も7割以上という結果に。
そのうち、クラウドサービスを利用して「非常に効果があった」または「ある程度効果があった」と回答した企業は、8割以上に上ります。
引用:総務省の統計データ「令和3年通信利用動向調査の結果」
このような数字から、クラウドサービスを活用した、個人のデバイスを用いる就業形態が注目を集めていることが分かります。
電話業務でBYODを活用する「クラウドPBX」とは?
クラウドPBXは、BYODとの関係性が深いクラウドサービスです。
アプリを個人のデバイスへインストールすれば、スマートフォンから会社番号での発着信が可能となり、いつどこにいても業務ができます。
ここからはBYODを導入するにあたり、なぜ「クラウドPBX」に着目すると良いのかについて紹介していきます。
クラウドPBXは導入が簡単!時間もコストもかからない
クラウドPBXは、運用をはじめるまでに、まとまった時間やコストを必要としない、比較的簡単に導入できるサービスです。
従来のビジネスフォンで使われている主装置は、業者を選定・契約したうえ要件定義をしたり工事したりと、運用に至るまでに時間もお金もかかります。
クラウドPBXなら業者を選んでアプリを入れるだけの場合も多く、電話機や回線などの環境が整っていれば、即日~数日で利用をはじめられます。
忙しい業務の合間を縫って準備を進めるときに、簡単に手続きや設定が終わるのは嬉しいポイントといえるでしょう。
加えてクラウドPBXの中には、以下のような機能が搭載されているものがあります。
- 内線
- 外線利用
- メッセージをやりとりできる
- 録音機能がある
- FAXを受け取れる
このようにクラウドPBXを導入すれば、従業員各自が持つデバイスだけで幅広い業務をこなせるようになります。
移動中をはじめとして、ちょっとした隙間時間を使って仕事もでき、一人ひとりの業務効率が上がるでしょう。
スマートフォン1台で「会社電話」と「私用電話」を使い分けできる
クラウドPBXを利用すると、1台のスマートフォンでも公私の電話を使い分けができます。
仕事の電話はアプリを通じて発着信し、私用の電話はLINEをはじめとした通話ツールや電話機能を使えば、記録が混ざることもありません。
また通話料金はそれぞれ、クラウドPBXを利用した通話は契約している会社(自社)宛てに、私用の電話は自身宛てに請求されます。
ただし、通話でのデータ通信にかかる費用・パケット代は、個人宛ての請求になる点にのみ注意が必要です。
BYODの一環でクラウドPBXを導入するときは、通信量(パケット代)として一定額を支給するといった対応が求められます。
なおクラウドPBXについて詳しく知りたい場合は、以下の記事をご確認ください。
BYODはどれだけお得?社用スマートフォンとの比較表
クラウドPBXを使ってBYODを導入するのと、社用スマートフォンを各自に配布するのとでは、どのような違いがあるでしょうか。
一覧表で、それぞれのコスト・利便性・セキュリティを確認しておきましょう。
項目 | 社用スマートフォンを支給する場合 | BYOD・クラウドPBXで対応する場合 |
---|---|---|
初期費用 | 端末代 事務手数料 |
設定費用 (※無料のサービスも有) |
ランニングコスト | 月額料金 | 月額料金 ライセンス料金 |
利便性 | ・私用スマホとの使い分けは簡単なものの、二台持ちになり面倒 ・従業員の増減にあわせて端末の購入・初期設定などの手間がかかる |
・持ち歩くのは自身のスマートフォンだけで良い ・会社内での台数管理や初期設定などが必要ない |
セキュリティの高さ | 高い | 問題があるケースもある (詳細はこちら) |
この中で特に気になるのは、コスト面ではないでしょうか。
社用スマートフォンの場合は、初期費用としてデバイスの購入費用や事務手数料がかかります。
一方、クラウドPBXを社員のスマホで利用するなら端末代は不要、さらにその他の初期費用も、サービスによっては無料もしくは圧倒的に安い場合もあります。
また機能やオプション、サービスは提供する企業によってそれぞれ異なるため、複数社を比較して検討するのがベストでしょう。
ランニングコストは毎月かかりますが、導入の手間・まとまった初期費用がかかりにくい点を考慮すれば、検討しておいて損はないサービスといえます。
クラウドPBXの導入でBYODを実現するメリットとは?
社用スマートフォンを用意するのと、BYODを導入するのではどちらを選ぶべきかお悩みの方も多いはずです。
ここからは、クラウドPBXを利用してBYODを導入した場合の、会社や従業員、それぞれにとってのメリットを解説します。
クラウドPBXが企業にもたらす3つのメリット
はじめにBYOD・クラウドPBXを導入した際の、会社側の3つのメリットを確認しておきましょう。
導入・運用コストや管理の負担削減に効果的
BYODを導入すると、社用スマートフォンの購入が不要な上に、初期設定や管理、メンテナンスの手間がかからなくなります。
新規の従業員が加わったときも、スマートフォンを用意する必要がないため、スムーズに業務をはじめてもらえるでしょう。
また退職や休職などで従業員数が減った際に、会社内でスマートフォンを持て余すことがなくなります。
定期的な充電・各スマートフォンのアップデート対応・増員に対応する新規契約業務といった管理の手間がなくなります。
そのぶん業務に専念できるため、管理部署の負担も減らせます。
場所に縛られず電話業務可能でBCP対策にも
クラウドPBXを導入したスマートフォンなら、テレワーク中、営業回り中、外出時など、シーンに関係なく電話対応ができます。
場所を限らずに仕事ができることで、一人ひとりの生産性や業務効率の向上・従業員の満足度アップが狙えるでしょう。
また、どこにいても電話対応ができる環境を整えておくことで、BCP(事業継続計画)対策にも役立ちます。
たとえばオフィスが被災しても、主装置がクラウド上にあるため、データの破損や紛失を防ぐことが可能。
さらにオフィスに出社できないような状況でも、自宅で会社の電話業務ができるため、事業の継続や早期復旧に大きく貢献できます。
BCP対策については以下の記事で解説しているため、あわせてご確認ください。
セキュリティ面も強固で安全に運用可能
クラウドPBXを利用することで、BYODにおける最大のリスクの一つともいえる「セキュリティリスク」にも対応できます。
個人向け通話サービスと異なり、クラウドPBXでは、音声データが暗号化されて守られています。
また各種データがクラウド上に保存されることで、デバイスに直接保存されるよりも、情報流出が起こる可能性を減らせるのも嬉しいポイントです。
クラウドPBXが社員にもたらす2つのメリット
クラウドPBXを利用してBYODを導入した場合、メリットを得られるのは会社だけではありません。
従業員にとっての主なメリットを、2つご紹介します。
個人・社用スマートフォンの2台持ち不要でストレスフリー
仕事専用のスマートフォンがなくなることで、従業員は持ち歩くデバイスの台数を減らまたスマートフォンが1台のみで済みます。
着信があったときも「どちらのスマートフォンが鳴っているのだろう」と慌てて探さずに済むのもメリットです。
使い慣れたスマートフォンで効率的に業務を進められる
BYODを導入すれば、日ごろから使い慣れている自身のスマートフォンで業務ができるようになります。
使い慣れているデバイスを活用すれば、操作に迷うことが減り、効率的に業務を進められるでしょう。
また社用スマートフォンのように緊張感なく扱えるため、業務連絡もスムーズにできるようになるはずです。
クラウドPBXにデメリットはある?BYODの落とし穴
クラウドPBXを利用してBYODを導入すると、デメリットに直面する場合も。
こちらもメリットと同様に、会社にとってのデメリット・従業員にとってのデメリットをご紹介します。
クラウドPBX導入における会社の2つのデメリット
はじめに、会社にとってのデメリットを2つご紹介します。
ひととおり把握し、事前の対策に役立てましょう。
サービスを利用するのに基本料金が発生する
クラウドPBXを利用するには、月々の基本料金を支払わなければなりません。
加えて企業さまによっては、オプションとして業務に必要な機能をプラスする必要があり、料金がかさむ場合もあるでしょう。
クラウドPBXの基本料金は利用台数に応じて変化するため、事前に料金をシミュレーションし、複数のクラウドPBX事業者・現状と導入後の費用などを確認してから判断するのが安心です。
安全な運用には管理者の選任とルール策定が必要
クラウドPBXを利用して安全にBYODを導入するなら、管理者の選定・社内ルールの設定をする必要があります。
私用スマートフォンの場合、好みのアプリを入れてカスタマイズしたり、好きなサイトにアクセスしたりすることもあるでしょう。
しかしセキュリティソフトを入れずに不審なサイト・アプリを利用したり、暗号化されていない通信(https通信)を利用すれば、ウイルス感染をはじめとしたセキュリティリスクがともないます。
そのため以下の対策をしたうえで、業務に従事してもらう必要があるでしょう。
【セキュリティリスクを回避する方法】
- 従業員のITリテラシーを高める
・顧客情報はアプリ内にのみ保管する
・アップデートにはすぐ対応する
・他人に覗き見されるような場所(電車・カフェなど)での利用制限を徹底する - 指定のセキュリティソフトを入れる
・有料の場合はそのぶんの手当を出す - 適切な対応をすぐに実行する
・退職した従業員がいればすぐにログイン情報を更新する
・アップデートにすぐ対応できるよう情報共有する
BYODを導入する前に、セキュリティ対策の方法・制限内容・受け入れられなかったときの対応など、管理者を中心として詳しく決めておくことが大切です。
クラウドPBX導入における社員の2つのデメリット
一方で従業員にとって、クラウドPBXを用いたBYOD導入には2つのデメリットがあります。
ひととおり確認し、フォロー体制を整えたり説明を手厚くしておいたりするなどの対策をしておきましょう。
BYODにより仕事とプライベートが曖昧になりやすい
クラウドPBXを利用して個人スマートフォンを内線化することで、退勤後・休日などにも電話がかかってくる可能性があります。
とくに資格を持っている方・ベテランの方・専門知識を持っている方などは、助言を求めて連絡を受ける可能性もあるでしょう。
そのため、仕事とプライベートが曖昧になるリスクがあります。
そのような事態を予防するには、業務利用の範囲を規則で決めておく、クラウドPBX上で電話を受け付ける時間を就業時間だけに限定しておくなど、対策を講じておくことが重要です。
仕事上のトラブルを回避するためにも、事前に会社側と従業員側とできちんと話し合いをしておく必要があるでしょう。
業務利用により個人のスマートフォンに負荷を与える可能性も
スマートフォンで頻繁に発着信すれば、当然、充電を消費します。
責任感の強い従業員や役職に就いている従業員の場合は、仕事のやりとりができなくなるのを避けるために、充電の残量を常に気にしなければなりません。
移動中や休憩時間にゲームをしたりスマホアプリを使って読書をしたりする人にとっては、ストレスに感じるでしょう。
中には「どのようなときでも充電を切らせなくなってしまった」として、BYODのために携帯充電器を購入せざるを得ないと考える方もいるかもしれません。
よってクラウドPBXの導入をきっかけに会社への不満が生じ、ストレスを溜める従業員がいる可能性があることを考慮しておく必要もあります。
クラウドPBXは『OFFICE PHONE』がおすすめ!BYOD実現をサポート
ここまでの内容で、「安心して使えるクラウドPBXを選びたい」とお思いになったご担当者さまが多いのではないでしょうか。
これからBYODで電話環境を構築するなら、コストがかさまず適切なサポートが受けられるサービスや、利便性の高い機能が使えるサービスを利用したいですよね。
その場合には、ぜひ『OFFICE PHONE』をご検討ください。
OFFICE PHONEは、低価格・充実した機能・安心のサポート体制がそろったクラウドPBXです。
導入コスト2万4,800円⇒キャンペーン適用で0円、月額料金3,400円~、ライセンス料金98円~(※1端末あたり)で利用できます。
また通話録音機能のほか、CTI(顧客情報表示)機能・IVR(自動音声対応)機能なども活用が可能です。
インターネット環境さえあれば、どこにいても社員のスマホで会社電話の応対ができるため、業務効率アップとコスト削減が実現するでしょう。
さらにセキュリティ対策・コスト削減などについて、IT専門家のノウハウをご提供できる環境も整っており、安心してご利用いただけます。
クラウドPBXを活用してBYOD導入を検討する際は、ぜひOFFICE PHONEをチェックし、お問い合わせ・無料トライアルをお試しください。
まとめ
BYODを導入するときは、クラウドPBXをともに検討しておきましょう。
クラウドPBXを導入すれば、個人スマートフォンを使って会社番号で発着信できるようになり、スムーズに業務をこなせます。
しかし会社・従業員それぞれにメリット・デメリットがあるため、この記事でご紹介したポイントをおさえ、じっくりと検討してください。